「サブバンク」として使う法人ネット銀行——メインバンクと組み合わせる最適解

「メインバンクは地銀のまま変えたくないが、手数料は下げたい」——そう考える経営者に最も現実的な選択肢が、ネット銀行をサブバンクとして使う方法です。

紙幣・クレジットカードとチェックリストを描いたイラスト

メインバンクを変更するのは、融資関係や取引先への通知コストを考えると、大きなハードルがあります。しかしサブ口座として新たにネット銀行の口座を開設し、日常の振込・支払いに使い始めることは、今日からでもできます。

本記事では、「メインバンク+ネット銀行サブ口座」の組み合わせで得られるメリットと、具体的な使い分け方をご説明します。

メインバンクを変えなくていい理由

多くの中小企業が地銀や信金をメインバンクとして使い続けている理由は、主に「融資の関係性」です。

融資審査においては、長年の取引実績や担当者との関係性が評価されることがあります。特に運転資金の融資を受けている場合は、メインバンクとの関係を維持することが経営上のリスクヘッジになります。

また、既存の取引先に振込先口座の変更を通知するコストも無視できません。こうした現実を踏まえると、「メインバンクを変える」のではなく「サブバンクを追加する」という発想が現実的です。

サブバンクにネット銀行を使うメリット

ノートパソコンの前でカードを手にする人

  • 振込手数料の削減:振込手数料は金融機関や振込方法によって異なります。月30件以上の振込がある企業では年間で大幅な削減効果が期待できます。
  • 会計ソフト連携:API連携により入出金明細を自動取得し、仕訳作業を大幅に効率化できます。
  • リスク分散:メインバンクにシステム障害や緊急事態が発生した際の予備的な決済手段になります。
  • 開設コストがほぼゼロ:口座維持費無料のネット銀行が多く、試しに使い始めやすい点も利点です。

具体的な使い分けの例

  • 売上の受け取り → メインバンク(地銀):取引先への変更通知不要
  • 外注費・仕入れ振込 → ネット銀行(サブ):手数料削減効果が大きい
  • 給与振込 → ネット銀行(サブ):一括振込が便利
  • 融資の返済・受取 → メインバンク(地銀):融資関係を維持する
  • 消費税積立 → ネット銀行(別口座):専用口座で使い込み防止

このように役割を分けることで、地銀との関係を維持しながら日常のコストを最適化できます。

サブバンクを追加する手順

  1. ネット銀行で法人口座を申し込む(オンライン・最短当日※金融機関により異なります)
  2. 会計ソフトとAPI連携を設定する
  3. 外注費・給与など「出ていくお金」の振込先口座をサブバンクに変更する
  4. メインバンクには売上入金と融資関係だけを残す

この4ステップだけで、複雑な手続きなしにマルチバンキングの効果が得られます。

「変える」のではなく「足す」から始める

サブバンクの追加は、メインバンクとの関係を維持したまま、日常のコストと経理の手間だけを見直せる方法です。融資関係や取引先への影響を心配せずに始められる点が、メインバンクの切り替えとの大きな違いになります。

まずは外注費や給与といった「出ていくお金」の一部をサブバンクに移すところから始め、手数料と経理の手間がどれだけ変わるかを確認してみてください。効果が見えてから対象を広げていけば、無理なくマルチバンキングの体制を整えられます。

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