経理担当者が月次決算をスムーズに進めるための「口座管理」チェックリスト
月次の締めが、いつも月末ギリギリになる——その原因の多くは、口座管理の抜け漏れにあります。本記事では、月次決算の口座管理に関わるチェック項目を整理します。毎月の締め作業をスムーズに進めるための実務チェックリストとしてご活用ください。
チェック①:現金・預金残高の確認(最優先)
- 全銀行口座の残高を帳簿と照合し、差異が「ゼロ」になっているか
- 差異がある場合、原因(未達事項・タイミングのズレ)を特定して仕訳を修正したか
- 小口現金がある場合、金庫残高と帳簿の小口現金残高が一致しているか(金種表の作成)
残高不一致の最も多い原因は「月またぎの取引」です。月末に発生した振込が翌月の明細に計上される「未達事項」は、毎月必ずチェックしましょう。
チェック②:売掛金・買掛金の確認
- 売掛金の入金はすべて計上されているか(特に月末入金分は漏れやすいです)
- 今月の売上として計上した請求書に対する入金確認が取れているか
- 買掛金・経費・給与・税金等の引き落とし・振込がすべて記録されているか
- 内容不明の入出金(仮受金・仮払金)を特定して処理しているか
- 相殺された振込手数料を「支払手数料」として適切に計上しているか
「振込はしたが帳簿に反映されていない」という二重計上・計上漏れは、月次決算の精度を大きく下げます。口座明細と帳簿を突き合わせる作業を週次で行うと、月末の負担が軽減されます。
チェック③:口座管理の効率化・自動化
- 会計ソフト(freee・マネーフォワード等)と銀行口座のAPI連携を設定し、明細を自動取得できているか
- 自動仕訳ルールを設定し、定常的な取引の手入力を削減できているか
- 通帳記帳を月次だけでなく週次で行い、月末の処理集中を避けているか
API連携が設定済みであれば、銀行明細の手入力はほぼゼロになります。まだ手入力をしている場合は、ネット銀行・API連携対応の口座への切り替えを検討するタイミングかもしれません。
チェック④:借入金・固定負債の確認
- 銀行からの借入金残高が、返済予定表と一致しているか
- 今月の元本返済額・利息が正しく計上されているか
- リース料・割賦の支払いが漏れなく処理されているか
チェック⑤:内部統制・セキュリティ
- 通帳・ネットバンキングのワンタイムトークンが適切に保管・管理されているか
- インターネットバンキングの振込承認フロー(複数担当者による承認)が機能しているか
- 預金勘定がマイナスになっていないか(当座借越限度超過の確認)
- 法人カードの明細と経費精算が月内に完了しているか
まとめ:月次の締めは「チェックリスト×自動化」で速くなる
月次決算が遅れる原因の多くは、残高不一致や計上漏れといった口座管理まわりの手戻りにあります。①現金・預金残高、②売掛金・買掛金、③効率化・自動化、④借入金、⑤内部統制の5つの観点を毎月同じチェックリストで確認する習慣が、締め作業のスピードと精度を同時に高めます。あわせて銀行口座と会計ソフトのAPI連携を整えれば、照合作業の大部分は自動化できます。まずは今月の締めで本記事のチェックリストを一度使ってみて、自社がつまずきやすいポイントを把握することから始めてみてください。